PRODUCT STRATEGY商品戦略

ホームセンターからの脱却を目指す。
SPAと横断型チームによる「商品開発」

メンバー全員参加で
“カインズのSPA”を推進

2022 グッドデザイン賞受賞商品
2022 グッドデザイン賞受賞商品

私たちはこれまでに数多くのオリジナル商品を生み出し、グッドデザイン賞やiFデザイン賞、レッドドットデザイン賞といった国内外のアワードを受賞しています。多くのお客様にご評価いただき、そのクオリティーを国際的な機関にも認められる大きな理由は、私たちが“メンバー全員参加”の商品づくりを行っていることにあります。

なぜ、全員参加の商品づくりが可能なのか。それは私たちがSPA企業、つまりは商品企画から設計、品質管理、物流からプロモーション、販売といった一連の流れを一貫して行っているからです。私たちはお客様目線の商品づくりを実現するため、2007年に「SPA宣言」を行っています。以降、商品にかかわるあらゆる工程に深く踏み込み、そのすべてに“カインズらしさ”を宿らせています。

2022 グッドデザイン賞受賞商品
2022 グッドデザイン賞受賞商品
店舗メンバーが商品開発にも参加
店舗メンバーが商品開発にも参加

カインズらしさとは徹底したお客様目線であり、お客様の最も近くにいるのは全国の店舗で売場に立つメンバーです。私たちはお客様目線の気づきを商品に反映するべく、メンバーの声を募るためのシステムを導入。声を上げやすい環境整備にも力を注いでいます。

売場をつくり、商品を並べ、お客様を迎え、商品を販売する。お客様と直に接する小売業だから持てるマーケットインの視点が、お客様に評価され、長くご愛用いただける商品を生み出しています。

店舗メンバーが商品開発にも参加
店舗メンバーが商品開発にも参加

商品にかかわるすべてに
“カインズらしさ”という価値を

カインズのSPA
カインズのSPA

商品企画/製造設計、生産拠点開発/素材調達、生産管理/品質管理、物流、プロモーション、販売/サポートと、SPAは多岐にわたる業務の連携によって成り立っています。しかし、単に連携するだけでは、カインズのSPAにはなりません。私たちは、カインズがSPAを推進する目的は何なのか、お客様に届けるべき価値とは何なのか、自らに問いかけ続けています。

お客様に届ける商品の価値とは、モノの利便性や革新性のみによって測られるものではありません。徹底した品質管理による安全性はもちろん、店舗に届くまでの物流プロセスから商品の魅力をお伝えするためのプロモーション、さらには売場の陳列方法に至るまで、商品の価値は、商品にかかわるすべてによって決まります。

カインズのSPA
カインズのSPA

部署ごとに役割は違っても、お客様と直に接する小売業としてのDNA、つまりは徹底したお客様目線を忘れてはいけません。これがカインズのSPAに貫かれた、共通の価値認識です。

カインズの核にある共通の価値を認識し、その価値を商品に宿らせるためには、互いの綿密かつ有機的な連携が欠かせません。私たちは各々の役割や業務プロセスを可視化し、効率的な相互理解を推進するシステムを開発・導入していますが、さらなる連携強化を目指し、組織体制の変革を引き続き進めていきます。

生活のシーンから課題を抽出
横断型チームで商品開発

横断型のチームで取り組む商品開発
横断型のチームで取り組む商品開発

日本型のホームセンターという業態を立ち上げた1978年の創業、オリジナル商品の開発へと舵を切った2007年のSPA宣言、そしてIT技術を活用してより快適で楽しい購買体験の実現を目指す2018年のIT小売業宣言と、私たちは小売業やホームセンターの枠にとらわれない挑戦を40年以上にわたり続け、お客様一人ひとりの自分らしいくらしをサポートしてきました。

カインズが開発するオリジナル商品は、国内外のデザイン賞を10年以上連続で受賞しているのに加え、SPA宣言を行った2007年度から2022年度までの間にオリジナル商品の売上高が約2.3倍に伸長するなど、お客様から評価をいただいています。

横断型のチームで取り組む商品開発
横断型のチームで取り組む商品開発

一方で、ライフスタイルの多様化や昨今の物価高など、お客様のくらしを取り巻く環境やその中でのニーズは劇的に変化を続けています。多様化するライフスタイルに対応し、これからの10年20年とお客様のニーズに着実に応えていくことを見据えて、2023年に商品開発体制を刷新しました。カインズの提供価値やカインズらしさを再定義した上で、お客様のライフスタイルや生活シーンからくらしの課題を抽出し、テーマへと落とし込む。それぞれのテーマに対して、事業部やカテゴリーを超えた横断型のチームで商品開発に取り組みます。

くらしのテーマから開発をスタートすることで、単品思考ではない面的な考え方の商品を実現していきます。カインズのものづくりは個人からチームへ、意思決定プロセスは縦から横へとよりフラットに変化。カインズが提供する価値は、従来のより良い「商品」から、より良い「くらし」へと進化していきます。

ホームセンターではなく
目指すは「カインズに行こう!」

カインズおおたモール店
カインズおおたモール店

カインズにとって、“お客様”を定義することは簡単ではありません。その理由は、来店するお客様の多様さにあります。

例えば、事業単位のひとつであるプロ。取り扱う商品数も商品知識も、カインズの大きな強みです。同時にカインズのお客様は、非常に多種多様です。DIYを楽しまれる方もいれば、農家さんや大工さんをはじめとするプロの方々も来店します。それを単に資材・工具と括っては、お客様の多様なニーズには応えられません。

カインズおおたモール店
カインズおおたモール店

次にペットという事業で見てみると、お客様にとってペットの存在はくらし、ライフスタイルの一部ですが、ライフスタイルとペットを切り分けることにより、ペットの衣食住にとどまらない、より柔軟かつとがった発想が可能になります。複数のデザイン賞を受賞したオリジナル商品「キャットインテリアタワー NECOTA」も、ペットとライフスタイルという切り分けられた、異なる視点の融合から誕生しました。

私たちは、多様なお客様の多様なニーズにお応えできる場所として「ホームセンターに行こう」ではなく、「カインズに行こう」と言っていただける取り組みを進めていきます。