DIGITAL STRATEGYデジタル戦略
圧倒的なスピードで展開するIT小売業化
次のカインズを創る「デジタル戦略」
革新を起こすための革新
拠点も採用体制も新たに整備
1989年に創業したカインズは2007年に「SPA宣言」を行い、事業の新たな方向性を打ち出しました。その宣言どおり、SPA企業として成長を遂げましたが、私たちは2019年を「第三創業期」と位置づけ、新たに“次のカインズを創る”ための取り組みを推進しています。
“次なるカインズを創る”ための核のひとつが、デジタル戦略です。私たちは創業時から築き上げてきたチェーンストアとしての実店舗を大きな強みに、IT技術を積極的に活用。デジタルとリアルをシームレスにつないだ、これまでにない新たな購買体験をご提供する“IT小売業”に生まれ変わることを目指しています。
そのため、「デジタル推進本部」を中心に、ECの強化にとどまらないDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、都内の複数拠点で開発に取り組んでいます。
また、カインズ本体とは異なる採用体制を整備し、エンジニアからオウンドメディアの運営者まで、IT分野のさまざまな経験を持つ人材を採用しています。
煩わしさをいち早く解決
素案から約1週間での実装も
新たに戦略の拠点を設け、新たな採用体制を整備した理由は、スピード感にあります。開発をアウトソーシングに頼っていては、多くのデジタル施策を短期間で実現することはできません。私たちのデジタル戦略のベースにあるのは、スピードを重視するアジャイル開発です。
オンライン注文の商品を店舗のロッカーから受け取れる『CAINZ PickUp ロッカー』をはじめ、私たちは数々の施策をリリースしてきましたが、マスク需要が増大したコロナ禍にはECサイトに抽選機能を導入しました。素案が出てから約1週間での実装、というスピード感です。
カインズのデジタル戦略の大きな柱は、購買体験の革新です。私たちは徹底したお客様目線を軸に、より快適なお買い物を楽しんでいただくための店舗運営に努めていますが、それでも感じる“ちょっとした煩わしさ”を解消する役目こそ、デジタルにあります。
商品を探し回り、レジに並び、予約商品を受け取るためにカウンターを訪れる——。すでに顕在化している煩わしさがあるなら、いち早く解消しなくてはいけません。私たちは現在、新たなデジタル施策を早くて2週間、長い場合でも2カ月程度でリリース。大きなシステムも、約3カ月での全店舗展開を可能としています。
可能性を無限に拡げる
“1対N”のデジタル接客
お客様が感じる“ちょっとした煩わしさ”を社内で最もよく知るのは、店舗に立つメンバーにほかなりません。そして、カインズが展開する商品のことを熟知しているのも店舗のメンバーです。私たちは、深い商品知識を持つ店舗メンバーの強みとデジタルを融合させ、お客様の利便性向上に止まらない、エモーショナルな購買体験の実現にも挑んでいます。
私たちの母体は、1978年に開業した『いせやホームセンター』です。カインズの店舗にはその当時から40年間にわたり、働き続けているメンバーもいます。知識はプロの職人にも引けを取りません。さらにカインズの店舗には、資材やリフォーム、園芸や自転車をはじめ、各部門に特化した知識を持つメンバーもそろっています。
こうしたメンバーたちはカインズの大きな強みであり、大きな価値です。そうした強みと価値を店舗にとどめておくのはもったいない。メンバーが持つ深い知識は店舗の枠をこえ、お客様はもちろん、未来のお客様をも魅了する可能性を秘めています。
そこで私たちは2020年6月に、デジタル戦略の一環としてオウンドメディア『となりのカインズさん』を正式オープン。“ホームセンターを遊び倒す”をコンセプトに、くらし全体をDIYの対象と捉え、毎日の生活を豊かにするためのアイデアを発信しています。
『となりのカインズさん』には著名人やクリエイターのほか、多くのカインズメンバーが登場。メンバーが持つ深い商品知識により、お客様の「WOW!」を喚起する商品の活用法をお届けしています。これは店舗にある1対1の接客の枠をこえた、デジタル領域における“1対N”の接客です。
『となりのカインズさん』は正式オープンから1年を待たずに、月間400万PVを達成しています。ほかにも私たちは、ペット領域に特化したオウンドメディア『WanQol(わんクォール)』や、くらしに役立つ映像コンテンツを配信するYouTubeチャンネル『カインズTV』を展開。新たな購買体験を提供するための取り組みを進めています。
お客様目線を積み重ね
“IT小売業”を実現
お伝えしてきたように、当社のデジタル戦略の核は内製化による圧倒的なスピードです。この中核的な取り組みが評価され、カインズは2021年6月、優れたIT事例を表彰する日経コンピュータ主催の「IT Japan Award 2021」においてグランプリを受賞しました。
そして、カインズが取り組む「くらしDIY」の実現のため、顧客体験価値の向上や店舗メンバーの作業効率化に貢献するデジタルソリューションの企画・開発を推進しています。
2025年12月にグランドオープンしたカインズ 吉川美南店では、店舗にない商品も検索・注文できる電子カタログ「デジタルオーダー」 や24時間営業のレジレス無人店舗「CAINZ Mobile Store」を導入しました。
また、店舗運営においてもデジタルツールを活用し、メンバー(従業員)がよりお客様とのコミュニケーションに注力できるよう、業務効率化を進めています。
私たちは、小売業として培ってきたお客様目線を積み重ね、これまでにない新たな“IT小売業”の実現を目指していきます。