除草剤は不要？！雑草を生えにくくする環境にやさしい「撒くだけで防草できる人工砂」の秘密

2025.01.23: 商品・サービス

望むと望まないとに関わらず、庭や畑、駐車場など、私たちの身近な場所に発生する雑草。アスファルトのわずかな隙間など、どのような環境下でもぐんぐんと成長を続けていきます。しかも、雑草が育つ3条件といわれる「適正な温度」「水」「光」が揃う梅雨明けから夏にかけては、雑草も元気もりもり！地球温暖化の影響か、除草作業が必要な期間も年々長くなっているようです。そんな雑草になぞらえて、どれだけ厳しい境遇でも立ち向かう不屈の精神を「雑草魂」と賞賛することもありますが、何度取り除いても次から次へと生えてくる“不屈の”雑草は、くらしの中ではどう考えても厄介者です。

「撒くだけで防草できる人工砂」は、その名の通り、地面に撒くだけで雑草を生えにくくすることができる人工の砂です。しかも化学物質を使っていないので、地球にやさしい。今回は、雑草に悩む方には福音ともいえるこの人工砂が生まれた背景をご紹介します。

実は配慮も必要な除草作業

様々な方法がある除草。庭や駐車場などの広い場所の除草に即効性が高く、比較的ラクな方法として、除草剤を散布して雑草を枯らす方法があります。近年では、自然にやさしい性質の除草剤も多くありますが、小さなお子さまやペットがいる場合は、使用する場所や薬品としての安全性を確認する必要があるなど、配慮が必要な方法でもあります。

雑草が生えないように対策も必要

除草ができた後に大切なのは、雑草をはやさないこと。つまり、防草です。防草をしないと、雑草が再び生え、そのたびに除草することになります。

では、防草に必要な作業とは何か。
それは、植物の育成に必要な日光を遮るか、雑草が育成したとしても根を張りにくい環境をつくることです。
一般的によく使われるのは「防草シート」ですが、これは敷くのが大変で、敷いた後も補修や敷き直しの必要がないか、定期的にチェックもしなくてはなりません。

除草剤を撒くのはラクだけど、周りへの気遣いが欠かせないし、防草のメンテナンスも手間…。
こうした課題を解決するために、「撒くだけで防草できる人工砂」の開発がはじまりました。

果てしない雑草との戦いを容易にしてくれる夢のような砂

様々な素材や手法を試した結果、開発担当者が人工砂に着目したのは「水はけのよさ」と「エコな商品」であることでした。

撒くだけで防草できる、特殊な構造

撒くだけで防草できる理由は、人工砂の構造にあります。細くて小さい穴がたくさんある多孔質素材でできているので、水分を蓄えにくく、通常の土壌よりも水はけがよくなります。地面に撒くだけで、植物が発芽し成長するために必要な栄養や水分を奪うので、雑草が生えにくい環境を整えることができるのです。
さらに、植物の種子が飛んできても根付きにくいので雑草が生えづらく、生えたとしても根が張らないため軽い力で簡単に抜くことができます。これなら除草剤を使う必要もありません。

ゴミから生まれた人工の砂は、地球にやさしい

この人工砂は、アップサイクル型のエコ素材です。各市町村のゴミ焼却場で燃やされて「灰」になった一般家庭ゴミが、特殊な工場で熱処理を加えて無害化されることで、化学物質を使わない、地球にやさしい人工砂に生まれ変わっているのです。

再利用がされない限り、埋め立てられるしかなかった一般家庭ゴミの焼却灰が、新たな価値を持つアップサイクル製品として生まれ変わって誕生した「撒くだけで防草できる人工砂」。その高い防草効果で繰り返し作業の負荷と除草剤の散布回数を低減するなど、クリーンな地球づくりに貢献する商品です。

カインズはこれからも、お客様のくらしをより楽しく、快適にできる商品を通じて、サスティナブルなくらしを続けていきます。

グッドデザイン賞2024　審査員コメント

「撒くだけで防草できる人工砂」は、グッドデザイン賞2024を受賞しました。審査員のコメントをご紹介します。

○審査員コメント
この人工砂の特徴は「除草剤が不要になり、雑草が生えにくい」ことに加え、家庭ごみを再活用して家庭で使える人工砂にする点が何より素晴らしい。実際には自分たちが捨てたごみではないが、サイクルの最後には家庭に戻ってくることが視覚化されている。ものの流通やものづくりの流れを想像できることは、家庭においても非常に重要な役割を果たすだろう。「自分の元に帰ってくるのであれば、ちゃんと扱おう」という小さな気持ちが生まれるはずである。小さな素材であっても、使い方や伝え方によって広がる世界がある。

■参考
撒くだけで防草出来る人工砂約15kg
https://www.cainz.com/g/4550596003092.html

【防草革命】撒くだけで雑草を抑制できる「砂」を作っちゃいました
https://magazine.cainz.com/article/190552