年間303tのプラ資材を削減 カインズ独自の大容量商品で取り組む「ふだんの買い物」でエコ貢献
- 2024.08.09
- 商品・サービス
カインズといえば、洗剤類の大容量商品を思い浮かべる方は多いではないでしょうか。店舗の中央にどーんと並ぶ大容量商品※1。容量あたりの価格がお得だったり、買い物の回数が減ったりと、お客様のくらしに貢献しています。
この大容量商品、実はエコ貢献もしているのです。ふだんの買い物で特別なことをせずにエコ貢献できるのは、くらしに寄り添うカインズならではのアプローチです。
そこで、洗剤大容量化の商品開発の様子とエコ貢献について、日用雑貨・加工食品事業本部 日用雑貨部 部長の小杉 研と日用雑貨・加工食品事業本部 日用雑貨部 Buyingマネジャー兼MDの中村 敦に聞きました。また、商品開発にご協力いただいているメーカー様にこの取り組みの意義などを伺いました。
<目次>
・1年間で約303tのプラスチック包装資材を削減
・大容量商品が始まったきっかけは?
・お客様と一緒に取り組んでいるエコ貢献
・もっと大きくなる?今後の大容量商品の展開
・協業しているメーカー様からのコメント
1年間で約303tのプラスチック包装資材を削減



小杉:カインズは洗剤をはじめ日用雑貨類を多くのお客様にご購入いただいています。なかでも洗剤類の大容量商品は人気です。この大容量商品には1個あたりの価格や買い物負担を軽減するだけではない、お客様のくらしに貢献していることがあります。
現在、カインズ店舗内に「お得でエコ、しかもカジがラクに。」というボードを掲出しています。洗剤類の大容量化に取り組んでいることと、ご購入いただいた商品によってプラスチック包装資材を削減してきた推移がわかる内容です。

洗剤類の大容量化によるプラスチック包装資材の削減はメーカー様に協力いただくことで始まり、2020年当初は約90tでした。翌2021年では約120tと3割アップ。そして2023年では約303tを削減しました。取り組みの拡大を伝えることで、お客様ご自身がプラスチック包装資材の削減に貢献していることを実感していただきたいと思っています。改めて削減できた数字を見ると、お客様とご一緒に取り組み、積み上げてきた量はすごいなと思います。
大容量商品が始まったきっかけは?
中村:カインズで最初に洗濯洗剤の大容量商品を販売したのは2018年頃です。洗濯は毎日のことで洗剤はたくさん使うので、容量を大きくすることで買い物の回数が減り、お客様に喜んでいただけるのではないかと考えました。商品化にあたっては、販売数量が多くお客様に支持されているブランドからスタートしました。
小杉:お客様は商品をご購入されると、なくなるまで使い続けてくださいます。メーカー様にとってはブランドスイッチされにくいというメリットも考えました。大容量化の商品開発は、現在、P&G様、花王様、ライオン様と取り組んでいます。カインズがその扇の要になって、メーカー各社様と連携して取り組むことで、社会的な広がりも生まれてきます。
お客様と一緒に取り組んでいるエコ貢献
小杉:お客様から大きな支持をいただいている大容量商品なので、家事が楽になることの他に貢献できていることはないかと社内で考えました。メーカー様に包材について調べていただいたところ、パウチ物は容量が2倍になっても使う包材は2倍にはならないことがわかりました。
お客様がカインズに求めていることは「お得感」です。カインズでお得な買い物をすると自然とエコにつながっているというナチュラルさが、カインズらしさにつながると思いました。くらし密着を掲げるカインズが商売するにあたっては、お客様と一緒に取り組んでいくことも大事です。お客様も無理せずカインズで買い物をして、「あ、これってエコにつながってるんだ」と気づいていく。そういう流れがすごく自然ですし、いいなと思っています。
日々のくらしで積み重ねている買い物を通じてお客様やメーカー様と一緒に取り組むと、こんなに大きな活動になるんですよね。買い物は家事ですし、回数が減れば負担も減るので、大容量商品はエコで「楽カジ」でもあるんですよ。
もっと大きくなる?今後の大容量商品の展開
中村:持ち運びできる重さには限度があるので、商品開発の視点からは、より大きい容量の商品化には限りがあるのではないかと思います。その代わり、シャンプーやボディケアなど種類を増やしたり、濃縮度を調整して容量を小さくしたりなどの方向性もあるかと思います。少ない量でこれまでと同じ洗浄力が出るような商品はおもしろいですね。
また、大容量商品の開発のときに一緒に取り組んだのが、売り方や洗濯で使うアイテムの開発です。カインズでは、洗剤を使う容器、洗濯物干しなどの周辺用品についても考慮しています。
たとえば、グッドデザイン賞やiF DESIGN AWARDを受賞したカインズオリジナル商品「詰替ボトル」は、同じくオリジナル商品で整理収納小物ケース「Skitto」にぴったり収まるデザインで、洗剤などの詰替え容器としてたくさんのお客様に使っていただいています。モジュールにあわせて収納し利用することで、大容量洗剤が使いやすくなっています。


カインズには洗濯用品のハンガーや物干しの種類がたくさんありますし、「洗濯用品と言えばカインズ」と多くのお客様にご支持をいただいています。洗剤と洗濯用品の両方を買って使っていただくことで、家事が楽になりくらしが豊かになりますね。

小杉:大容量商品の収納は難しさがありますね。効率よく整理して家の中にストックしないといけない。カインズには収納アイテムもたくさんあるので、「お得ですよ」「エコですよ」とたくさん買っていただくだけではなく、中村が申し上げたように、上手に収納する方法やしまいやすく出しやすいアイテムなどもお客様と一緒に検討し、開発・販売していけたらと思います。
※1大容量商品:詰替商品のなかで、通常サイズより容量が大きい商品
※2 デコ活:環境省が取り組む脱炭素につながる将来の豊かな暮らしを創る国民運動。カインズは「デコ活」(環境省)に取り組む企業、また「デコ活宣言」を行ったカインズが宣言した企業・団体としてサイトに掲載されています。
「デコ活宣言した団体の一覧」https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/join/list/
■参考
詰替ボトル 1.2L用 ホワイト
整理収納小物ケース「Skitto」
「楽カジ LAUNDRY」洗濯ストレスを解決する便利グッズ
大容量商品の開発にカインズと一緒に取り組んでいただいているメーカー様に、この取り組みについて伺いました
○P&G様
カインズ様とP&Gは、長期にわたって協働ビジネスプランニングを進めております。カインズ様の「くらしDIY」宣言に共感し、デジタル領域や物流の2024年問題などの社会や地域が抱えるチャレンジに一緒に取り組むなど、サプライチェーン領域でも協働をさせていただいております。カインズ様との大容量化商品の協働を通じ、詰め替え、大容量パックの推進とその周知を通じた消費者の行動変容への取り組みは、非常に重要なアクションだと考えております。今後も、カインズ様とP&Gだからこそお客様に提供できる価値創造を、ともに進めてまいりたいと思います。
○花王様
現在、カインズ様で販売している花王の大容量商品は66アイテムあり、取り組みを始めた2018年よりもカテゴリーも増えています。カインズ様は大容量商品の市場を作り、お客様のニーズをとらえ商品化するところが強みと考えます。大容量商品についてはお客様の買い物行動を変えているでしょう。カインズ様のくみまち構想は環境分野に加えて、くみまち学校、防災などでもご一緒できると思いますし、花王のESG戦略とも方向性があっていると考えています。
○ライオン様
ホームセンター業界大手のカインズ様が取り組むことで、市場全体への影響力が大きく、社会全体に対する影響も非常に多くあると思っています。また大容量商品は便利なので、知らず知らずによい習慣をお客様に届けていると感じております。ライオンのパーパスに「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する」がありますが、これに通じるものがあり、メーカーだけではできないことをカインズ様を通じて実現できていると感じます。大容量商品を長期的に育てているのがカインズ様らしいとも感じております。
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