LOGISTICSロジスティクス

物流サービスレベルの向上と
環境の変化に柔軟に対応する次世代の「ロジスティクス」

1万3000のオリジナル商品を支える
国内外にわたるサプライチェーン

2007年の「SPA宣言」以降、SPA企業へと舵を切ったカインズにとって、ロジスティクスの重要性は高まる一方です。私たちはSPA企業としてオリジナル商品の開発に力を注ぎ、その売上構成比は全体の約4割。オリジナル商品の数は1万3,000に及びます。

その生産体制を支えているのが、国内外にわたって構築したサプライチェーンです。私たちは世界中の素材調達から生産管理、販売までをスムーズに行うため、国内に11カ所の物流センターを設置。2009年に設立した中国・上海の現地法人を皮切りに、海外にも複数の物流拠点を設けています。

物流の基本は「Quality:品質・Cost:費用・Deliver:納期=QCD」。私たちはQCDを最適化すべく、情報システムの整備を推進。IT技術を活用した情報の一元化により、販売状況に合わせたジャストインタイムの商品供給を実現するコントロール体制を構築しています。

広大な倉庫をロボットが走る
投資が生んだ次世代の物流センター

新設の物流センターには自動走行の物流ロボット導入を計画
新設の物流センターには自動走行の物流ロボット導入を計画

物流には、一般的にコストの削減が求められます。しかし、コストの削減ばかりを重視していては制限が増え、新たなチャレンジをする機会を失いかねません。そして、商品開発から販売までの一連を一貫して行うSPA企業である私たちは、ロジスティクスにも“カインズらしさ”を宿らせなければなりません。

お客様のお手元にわたる商品の素材調達も、商品を店舗に届ける配送も、ロジスティクスは縁の下の力持ちです。お客様には、ロジスティクスは見えません。しかし、ロジスティクスなくして顧客満足はあり得ません。私たちはロジスティクスをビジネスの基盤と位置づけています。

新設の物流センターには自動走行の物流ロボット導入を計画
新設の物流センターには自動走行の物流ロボット導入を計画

その姿勢を体現しているのが、2024年春の稼働開始を予定している国内2カ所の物流センターです。私たちは東西のそれぞれに、次世代の大型物流センターを設立。東の拠点となるのが埼玉県狭山市の「GLP狭山日高III」、西の拠点となるのが三重県桑名市の「カインズ桑名流通センター」です。

「GLP狭山日高III」の延床面積は約6万7,000㎡、「カインズ桑名流通センター」は同9万4,000㎡を計画。出荷能力の大幅な向上を図りますが、それに大きく寄与するのがDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みです。

新設の物流センターには自動走行の物流ロボットを導入し、ITによる倉庫管理システムとの連携を強化。物流の基本であるQCDを確かに維持しながら、少子高齢化による労働人口の減少に対応するとともに、メンバーの働きやすさを向上させます。働きやすさの向上は、カインドネス(親切心)を大切にする“カインズらしさ”の体現でもあります。

SPAだからこその強みを生かし、
物流にも“お客様”の目線を

ロジスティクスの重要な役割を果たす梱包の最適化
ロジスティクスの重要な役割を果たす梱包の最適化

積極的なDXに取り組むカインズのロジスティクスですが、すべての基点は「店舗」にあります。店舗とはすなわち、お客様とメンバーが接する場所です。DXによる物流の効率化は、コスト削減に貢献します。しかし、効率化を図るあまりに店舗メンバーの負担が増してしは、それは“カインズらしさ”を損なうことにつながりかねません。

“カインズらしさ”とは、社名の由来となっているカインドネスであるのと同時に、徹底したお客様目線にあります。できる限り欠品のない、スムーズかつスピーディーな商品供給体制がお客様のお買い物のしやすさに直結するのはもちろん、メンバーの品出しや陳列のしやすさ、つまりは梱包のノウハウをブラッシュアップしていくことも、ロジスティクスの重要な役割です。

ロジスティクスの重要な役割を果たす梱包の最適化
ロジスティクスの重要な役割を果たす梱包の最適化

梱包の改善は品質に強く結びつき、同時に品出しや陳列のしやすさを向上させます。品出しや陳列のしやすさは健全な店舗運営につながり、これもまた、お客様の気持ちいいお買い物につながりますが、品出しや陳列のしやすさも、商品をお手に取るお客様のことも、最もよく知るのは店舗に立つメンバーです。私たちは店舗基点のロジスティクスを実現するため、店舗メンバーとの綿密なコミュニケーションを欠かしません。

また、店舗を基点としたロジスティクスの構築は、お客様がお買い求めになりやすい、商品の価格設定にも寄与します。物流単体ではなく、店舗運営の円滑化を軸にコストの総和を最小化できるからです。これは私たちがSPA企業であるからこそ際立つ考え方であり、QCDの維持とコスト削減の両方を可能とする、カインズの大きな強みです。

物理的にもお客様の近くから
EC強化に向けた“店舗の倉庫化”

店舗の商品がECの在庫にもなる「店舗の倉庫化」
店舗の商品がECの在庫にもなる「店舗の倉庫化」

カインズでは店舗を基点としたロジスティクスの未来像として、現在、“店舗の倉庫化”を実現するべく、取り組みを進めています。その理由は、ECの強化・推進です。店舗が物流倉庫となれば、ECの利便性はさらに高まります。

言うまでもなく、ECのための膨大な商品在庫を保管するためには、巨大な物流倉庫が必要となります。倉庫を運営維持するにはコストが生じ、そのコストはお客様がお手に取る商品価格にも影響を及ぼします。しかし、店舗の倉庫化が可能になれば、そのコストは生じず、さらには全国に約230の店舗を展開するカインズの強みを生かすことができます。

店舗の商品がECの在庫にもなる「店舗の倉庫化」
店舗の商品がECの在庫にもなる「店舗の倉庫化」

お客様がお求めになる商品を、お客様のお住まいの最も近くにある店舗からお届けする。すると、お客様のお手元へとよりスピーディーな配送が可能になり、さらには配送コストの削減も見込めます。これが私たちの見据える“店舗の倉庫化”です。

私たちはお客様のくらしに常に寄り添い、次世代のロジスティクスを築いていきます。