コンテナを安定して運べる一輪車 使いづらさから生まれた改良

コンテナを安定して運べる一輪車 使いづらさから生まれた改良

2026.02.04
商品・サービス

農作業や建設作業だけでなく、家庭でも使用される運搬用の一輪車。収穫用コンテナを載せて使用することも多いですが、コンテナが傾いてバランスをとるのが難しいなど使いづらさを感じる人が多いようでした。カインズでは、ユーザーアンケートをもとに収穫用コンテナを載せても安定して運搬できる一輪車を開発しました。

ユーザーアンケートなどからデザイン見直しに取り組む

農作業や建設作業がラクになるコンテナがぴったり収まる一輪車

「コンテナを載せやすい浅型一輪車」を開発するきっかけは、商品開発担当者の休みの日の散歩でした。担当者の自宅近所には農園があり、そこで農作業をしている高齢の女性が一輪車を一生懸命に押しています。大きな一輪車のためフラフラして収穫用コンテナが揺れていました。「使いづらそうだな」と感じた担当者は、プロ使用ではもちろん一般の高齢者でも使いやすい一輪車を開発しようと思ったのでした。

浅型の一輪車は主に、農業やガーデニング、建築現場などで運搬器具として使用されています。なかには、一輪車に収穫用コンテナを載せて使用している人もいて、カインズが実施した購入者アンケートによると約55%の人が同様の使い方をしていることがわかりました。

実際に一輪車にコンテナを載せて運搬している人を観察してみると、コンテナが安定せず揺れてしまい、バランスをとるのが難しいことがわかります。そこで、少しでも運搬しやすくなるよう、荷台の形状を変更することを考え開発をすることに。

また、普段使用しているなかで、荷崩れやグリップの滑りも利用者からの不満点として挙がりました。原因としては、荷台の底面の形状がコンテナの底面形状と合っていないことが考えられます。そこで、今までのデザインを見直す必要があると判断しました。

より使いやすくなった一輪車のデザイン開発ポイント

農作業や建設作業がラクになるコンテナがぴったり収まる一輪車

従来は、一輪車の荷台の底面形状が正方形でしたが、「コンテナを載せやすい浅型一輪車」は荷台の底面形状を収穫用コンテナの底面形状に合わせて、コンテナを安定して置くことができるようにしました。

また、購入者アンケートによると、ごみ捨てや枝の剪定後の運搬処理などでも使用されていることがわかり、荷崩れが不満点として挙がっていたため、ロープやゴム紐をかけられるフックを荷台のフレームに前後左右計6か所取り付けました。

農作業や建設作業がラクになるコンテナがぴったり収まる一輪車

他にも「久々に使うといつのまにかタイヤの空気が抜けている」「パンクしやすい」という不満点が挙がり、空気入れが不要なノーパンクタイヤを使用。「握りにくい」「滑る」というグリップは、従来よりも太いグリップに変更。さらに、重量物を運ぶ時にバランスを取りやすいように、弊社商品ですでに採用している、タイヤの位置が変更できる技術(実用新案登録第3216614号)も加え、重量物によって重心が変えられる仕様にしました。

農作業や建設作業がラクになるコンテナがぴったり収まる一輪車
農作業や建設作業がラクになるコンテナがぴったり収まる一輪車

現状のデザインになるまでは多くの試行錯誤がありました。

荷台の底面形状を大きくすると、荷台が長くなってしまいます。大きさをあまり変えずにするためには、荷台の前や後ろの角度を調整することになります。前の角度がありすぎると荷台を前方に傾けて物を下すことが大変になります。

フックの位置も重要です。使いやすさに加えて、荷台姿にも気を使いました。店舗へ納品するとき、一輪車は荷台、タイヤ、フレームと3つの部位に分解され、店舗で組み立てて店頭に並べます。かさ張らずに納品するためにはそれぞれの部位がスタッキングできることが望ましいのです。フックがスタッキングの邪魔にならないことと、使いやすい場所にあることを両立させる必要がありました。

社内のプロダクトデザインチームや法務など様々な部署に相談し、使い勝手のよさや納品しやすさが叶うのかなどを確認し、デザインを決めていきました。

農作業や建設作業がラクになるコンテナがぴったり収まる一輪車

農作業や建築作業がラクになる

農作業や建設作業がラクになるコンテナがぴったり収まる一輪車
「コンテナを載せやすい浅型一輪車」と組み合わせてぴったりと荷台におさまる「取っ手が持ちやすいコンテナ」

収穫用コンテナはカインズだけで年間32万個販売されていて、収穫物や農業小物を運搬する農業での場面や、小さい部品やパーツを収納、運搬する建築現場でも使用されています。一輪車も同様の場面で使用され、一緒に使うことも多いと想像できます。

収穫用コンテナのサイズは規格化されており、折りたたみコンテナや蓋つきの工具用ボックスなどもほぼ同一サイズになっているため、収穫用コンテナ以外の様々なコンテナも同様に載せることができます。

グッドデザイン賞2023

「コンテナを載せやすい浅型一輪車」は、グッドデザイン賞2023を受賞しました。審査員のコメントをご紹介します。

農作業や建設作業がラクになるコンテナがぴったり収まる一輪車

○審査員のコメント
2023年グッドデザイン賞の審査員からいただいた「コンテナを載せやすい浅型一輪車」へのコメントをご紹介します。
「農家や家庭菜園などで使用される一輪車をさまざまな用途に適応できるよう、形状とサイズを見直し改良した賢いデザインである。荷台の底面を収穫用コンテナサイズに合わせることで、安定してコンテナを運ぶことができ、またその荷台の裏の周囲に6つのフックを取り付けることで、2つに重ねられたコンテナを安全に運搬できる。ホームセンターだからこそ生み出せた、ユーザーのインサイトを迅速に商品へ落とし込む開発の取り組みも素晴らしい。」

また、審査委員の「一品」にも選ばれました。そのコメントをご紹介します。
「建築現場でよく目にする一輪車(通称ネコ)。現場用具はデザイン的進化の少ない業界だけれど、コンテナを乗せるのに合わせた形状、使いやすさを考え車輪の位置を変化させ重心を安定させる工夫、そして何より色、形ともにカッコ良くデザイン的にも進化している。現場のみならず日曜大工や家庭菜園など広いニーズが期待できる。」

iF DESIGN AWARD 2024受賞

国際的デザイン賞である「iF DESIGN AWARD 2024」(主催:iF International Forum Design GmbH)において、カインズオリジナル商品の「コンテナを載せやすい浅型一輪車 ノーパンク」「仕切りの形を変えられるキャリングバッグ」がプロダクト部門で受賞しました。
詳細:https://www.cainz.co.jp/news/8074/

○商品
コンテナを載せやすい浅型一輪車
https://www.cainz.com/g/4549509822226.html

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