カインズのKindnessが受け継がれる─勤続30年の父と同じ道を選んだ娘の物語
- 2026.03.18
- 経営
「いちばん思い出に残っている出来事は、娘がカインズに入社してくれたことです」
勤続30年の節目に行ったアンケートで、田村さんはそう答えました。

「よほど楽しそうに働いているように見えたのかもしれません」と笑いながらも、その言葉の奥には、働くことの誇りと、次の世代へ文化をつないでいく責任感がにじみます。親子が同じ会社を選んだ背景には、カインズに根づく“Kindnessでつながる”のコアバリューがありました。
Kindnessに支えられた仕事人生~父の30年
埼玉県出身。1995年に入社し、旧本庄店を皮切りに、担当やマネジャー、店長を務め、本部での店舗運営業務に従事。その後、開発部門やフランチャイズ部門などに携わります。単身赴任を経験しつつも家族と一緒に10年以上転勤を経験し、現在は自宅から本庄早稲田本部へ通勤。変化の激しい小売の第一線でカインズの成長に寄り添ってきました。

「カインズの一番好きなところは、社名の由来通りメンバーが“Kindness”であること。店舗も本部も、お客様に“楽しく買い物していただくこと”に真剣に向き合って、努力を続けている。そんな仲間たちが大好きです」と田村さんは話します。
“Kindness”はスローガンではなく、日々の行動に宿るカインズのコアバリュー。困っているお客様を見かければ、メンバー(従業員)がすっと声をかける。準備が間に合わないときは部署を越えてフォローし合う。田村さんはそんな場面を数えきれないほど見て、自分自身も取り組んできました。
そして、30年の歩みの中で最もうれしかった出来事が、娘さんの入社でした。
「本当にカインズに入るんだ、と思ったとき、誇らしさと同じくらい“もっと良い会社にしなければ”という責任を強く感じました。娘に限らず、後輩たちが“ここで働いて良かった”と思えるように、さらに良い会社にしていきたいです」
家庭には仕事を持ち込まない主義。ただ、接客でのちょっと面白い話や、商品の相談を受けたときの工夫などはぽつりぽつりと家族に話していました。そして、「娘が小さかったころ、勤務先の店に妻と来て、私を見つけると飛びついてきた」というエピソードは、「いまでも宝物のような記憶です」と、はにかみながら田村さんは話してくれました。
子どもの頃に見た“カッコいいお父さん”が原点~娘の視点
娘の瑞姫(たまき)さんは2024年4月入社。渋川有馬店でキャリアをスタートし、御前崎店へ異動。そして26年1月からは稲沢ハーモニーランド店でグリーン・ガーデン領域を担当しています。

「入社動機は、父の影響が大きいです。小さい頃、母に父が働くお店に買い物に連れて行ってもらい、父を見つけると笑顔で飛びついていました。父の働く姿を見て“カッコいい”と思っていました。店長として、お客様に親身に寄り添いながら提案をしている姿が印象的で、“どんな仕事なんだろう”と興味を持つようになりました」
学生時代のアルバイトも接客。“人に教えるのが好き”という性格とも相性がよかったそうです。入社前に参加した就活生向けのサマーワークショップで感じたのは、距離感の心地よさ。
「人と人との接し方が自然で、とてもあたたかい雰囲気。他社のプログラムにも参加しましたが、カインズの空気感がいちばん自分に合うと感じました。社会人として自分に挑戦したい、プロの接客を身につけたい、ここなら変われると思いました」
家での父は、ふだん怒らず、やさしく相談に乗ってくれる存在。一方、仕事中は表情が引き締まり、持てる知識をすべて注いでお客様に向き合う。
「家とは全然違って、正直“カッコいい”ってずっと思っていました。これは父にも母にも言っていないんですけど(笑)」

カインズに入社後に感じたのは、想像していた通りの温かいムード。
「ミスをしたときも、トレーナーや社員の方々が“次に生かそう”と励ましてくれます。父のことを知っている方も多くて、顔が似ているからかな?『お父さんってすごい人だね』と言っていただくこともあって、うれしいです。父に憧れてこの道を選んでよかったと実感しています」
ときには父に売場づくりや接客の相談をすることも。売場の写真を送ってアドバイスをもらい、「出すぎてしまったかな」と感じた接客のあとには振り返りを。
「父は否定から入らず、“良かったところは良かった、気になったところは次に生かそう”と言ってくれます。自分の思うままでいい、と背中を押してくれるのが大きいです」
将来の目標は明確です。
「店長になりたい。まだ女性の店長は多くないけれど、いろんな知識を身につけて、人にアドバイスできる立場になりたい。困っている人がいたら“行かなきゃ”と思うタイプなので、現場でたくさんの方の役に立ちたいです」
最近は、朝礼でカインズの公式Instagram投稿を紹介したり、お客様に聞かれることが多い商品を先回りして共有したりと、チームの情報感度を高める工夫も。「お気に入り商品」を自分の言葉で紹介する取り組みも始めています。
“家族で同じ企業文化を共有する”うれしさ
実は、田村さんの奥さんもカインズのリフォーム事業部門でパートとして勤務しており、入社して約1年半。息子さんは社会人として独立し、いまは夫婦でくらしています。家族3人が同じ企業の文化を日常で共有していることは、働く安心感や誇りにもつながっています。
もちろん、現場はいつも完璧ではありません。店舗企画の準備やPOPの到着が遅れてしまうことなど、娘さんからの“ちょっとした愚痴”を聞くこともあるとか。
「クレームが自分に来ているように感じるんですよ(笑)。でも、店舗のメンバーにはKindnessな人が多いので、よくしてもらっているようです」
田村さんは何かと理由をつけて娘さんの寮を訪ねています。「遠くで頑張る娘のくらしを、少しでも支えたい」という想いがにじみます。
現場で経験を積み、やりたいことを見つけてほしい~後輩たちへ
「カインズは、自分が望めばチャレンジさせてもらえる会社です。どうすればお客様が“より便利に、より楽しく”買い物できるかを考え、新しいことにも挑戦してほしい。店舗でお客様と直に向き合うことで、揺るぎない経験が積める。そこで自分の“やりたいこと”を見つけて、いずれは本部で活躍してくれたらうれしいですね」
現場での発見は、どんな役割に就いても“お客様視点”として必ず生きる。30年のキャリアを通じてたどり着いた、田村さんの確かな実感です。
Kindnessがつなぐ、働く楽しさ、成長する実感
父が30年見せてきた背中を、娘がいま自分の足で歩き始めています。その間をつなぐのは、カインズに根づくKindnessのコアバリューです。

「ここで働いてよかった」──そう思える瞬間は、目の前のお客様の笑顔かもしれないし、メンバーとの支え合いかもしれません。あるいは、自分の働く姿を見て”同じ道を選びたい”と次の世代が言ってくれたときなのかもしれません。
Kindnessを通じて、働く楽しさや成長する実感が受け継がれていく。
田村さん親子の物語は、カインズで働くことの意味を、静かに力強く教えてくれます。
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