チームを支える3人組!ザスパクサツ群馬マネージャーの仕事とは?【おせっカインズ #14】

チームを支える3人組!ザスパクサツ群馬マネージャーの仕事とは?【おせっカインズ #14】

2023.10.26
おせっカインズ

ザスパクサツ群馬のチームを支えるマネージャーは、スケジュール管理などを行う原巧佑さん、公式戦用具の管理・手入れなどを行う髙橋陸さん、練習用具の管理・手入れなどを行う大澤遼太さんの3人です。スケジュールの管理やアウェイ移動の手配、公式戦・練習での準備など、チーム運営や選手・監督・コーチのサポートを行うマネージャーの仕事内容をご紹介します。

写真左から、ザスパクサツ群馬のマネージャー、髙橋陸さん、原巧佑さん、大澤遼太さん

練習スケジュールの管理やアウェイ移動の手配など、チーム運営を支える原巧佑さん

学生時代にサッカーに関わる仕事に就きたいと考えていたときに、FC琉球でインターンを経験したことからマネージャーになりたいと思ったという原さん

■業務内容(スケジュール管理など)
練習や会議、遠征(アウェイ戦)などのスケジュール作成があります。手配系では、練習用のグラウンド、ホーム戦での移動用バス、遠征での宿泊や新幹線・飛行機のチケット、試合での補食などがあります。今のザスパには専用グラウンドがないので、毎回グラウンド手配が発生します。

練習や試合では、ゴールキーパーの練習のサポートやボール拾い、ドリンク補充、紅白戦での副審などです。会計も担当していて、グランド利用料やチームで使う備品、練習生の交通費などを月の予算で管理しています。

■楽しいと感じることは?
試合のときに、相手チームでのマネージャーの仕事内容を聞いたり、アウェイでの前泊ホテルからスタジアムの移動時間などの情報交換をしたりするときですかね。遠征先に行く前に相手チームのマネージャーの顔写真をホームページなどで確認して、スタジアムに到着してからウォーミングアップまでの間に声をかけて話します。あとは、大学時代のときに交流があった選手と再会できたときですね。

■工夫していることは?
練習時間など変更が発生することが多いので、選手への連絡が多いです。そのとき気をつけているのは、わかりやすく伝えることです。LINEで連絡することが多いのですが、ダラダラと説明するのではなく、結論を先にして次に理由をわかりやすく書きます。連絡内容にミスがあっては絶対にダメなので、緊張感をもって取り組んでいます。

■難しいと感じることは?
ツエーゲン金沢戦(2023年8月20日)は、雷で試合が中止になりました。僕は初めての体験で、どう対応したらいいのか正直なところわかりませんでした。でも、自分が慌てたら選手も慌てるので、落ち着いて状況を見て振舞っていました。今、落ち着いて振り返えってみると、あのときの判断や行動が正しかったのかわからないですが、天気のことなので雷がやむのを待つしかなかったと思います。

アウェイのV・ファーレン長崎戦(同9月9日)は、移動日付近で台風上陸の予報が出ていました。交通手段をどうするかを直前まで考え監督に相談し、カインズトラベルさんに協力いただいてチケットの手配をしていました。

アウェイでの移動行程を確認する原さん。交通チケットなどの手配以外に、練習ではグラウンドの状態を確認し管理業者の方と打ち合わせをすることも

■選手や監督・コーチたちとの関わりは?
大きな声で元気よく振舞っています(笑)。選手とは年代が近いので、フラットに話しができるようにしています。マネージャーが全部やるのが当たり前というのではなく、お互い尊重して自分でできることはやりつつ、頼みやすく頼まれやすい関係を作れたらと思っています。

監督やコーチに相談するときは、選択肢を2つくらい用意してから話しています。監督とはスケジュールに関することが多く、例えば先日のアウェイ長崎戦では新幹線か飛行機かを用意して監督にどちらのルートにするかを移動する直前まで相談しました。

■今後やってみたいこと
現在、主務として各種スケジュール管理やチケット、選手の補食などの手配を行っています。もともと、練習用具の管理などの用具係をやりたくてこの世界に入りました。栃木シティフットボールクラブでは副務として用具係を担当していました。今後、副務の機会があればやりたいですね。

■ファン・サポーターへのメッセージ
試合中はほとんどロッカー室で作業をしていることが多いのですが、みなさんの応援がロッカー室まで聞こえます。一番感動するというかすごいなと思うのは、ホーム戦でスタジアム入りするときです。僕はバスの一番前に座っているので、みなさんの応援を正面から見ることができます。あの雰囲気は毎回すごいなと思います。

アウェイ戦のときはウォーミングアップ前に観客席を見るのですが、応援に来てくださっているのがわかりいつもありがたく思っています。チームの目標を達成するためにも、引き続き応援をお願いいたします。

公式戦の用具を準備・管理する髙橋陸さん

Jリーグクラブに携わる仕事に就きたいと思うなかで、裏方(ホペイロ・マネージャー)業を知り目指し始め、大学4年生時に大宮アルディージャにマネージャーとして入団したという髙橋さん。新たに加入した選手とは、加入したタイミングで試合で身に着けるシューズやウェア類のことなどをヒアリングして、各選手の希望に合わせたアイテムを用意しています

■業務内容(公式戦の用具担当)
公式戦に関わる用具(選手が身に着けるものやウォーミングアップ用具、シャンプー、タオルなどの備品など)の準備と管理、運搬です。普段はクラブハウスとは別に前橋市内にある用具倉庫で、次の試合に向けて用具の準備や手入れなどをしています。その他、サプライヤー(KELME)様とウェアについての調整や、遠方への遠征時に荷物車運転するドライバーさんとの調整など、多少のデスクワークをすることもあります。

■楽しいと感じることは?
用具係の仕事は学生の頃から目指していたので、夢を叶えて携われているので毎日楽しいですね。

当然、試合に勝つと楽しいというか、うれしいです。それは選手・スタッフ、フロントのみんながそう思っていると思います。試合に負けると悔しいけれど、この仕事は勝っても負けてもやることは変わらない。勝ったからといっていつもよりがんばってスパイクをきれいにするとかないですし、負けたからといって手を抜くとかはない。勝敗によって内容を変えてはいけない仕事なのです。

■工夫していることは?
読み、予測。1歩、2歩先ではなく何歩でも先をみる。常に周りをみて広い視野を保つ。

なぜ先を読むことを大事にしているかというと、選手・スタッフが我々に何かを求めるということは、彼らに対して多少なりともストレスを与えてしまっていることだと思っているからです。そうならないよう常に周りを見て用意したり、スケジュールを見て要領よく効率よく作業を進められるようにしたりしています。

選手・スタッフから要求される前に、それができていたり用意されたりしていることが理想なんですよね。また彼らが専念できる環境を作るためにも、日頃からコミュニケーションは大事にしています。

■難しいと感じることは?
毎日「難しいな」と感じます(笑)。人間相手の仕事なので、完璧なこと・完璧な日がない。もっとあれしたい、こんなことしてあげたいと思いますが時間には限りがあります。毎日良いものを求めて、選手・スタッフのストレスがない環境を与えられるにはどうしたらいいか、その日が終わったときに振り返ってみることがあります。

■選手や監督・コーチたちとの関わりは?
僕は「いつも通り」ということを常に大事にしています。勝ったから特別なことをするとかはなく、選手やスタッフがマネージャーの存在を気にせず、ホームでもアウェイでもいつも通りにスタジアムに来て、いつも通りの物がそこにあって、いつも通りの感覚で試合に入っていく。これを心掛けて準備をしています。

試合時は選手やスタッフが、自分たちが様々な用具やウェアを持参してスタジアムに来るということはほとんどなくて、手ぶらでスタジアムに来て僕が用意したものを身に着けて試合に臨めるような環境を提供しています。選手が「ユニフォーム持ったかな」「スパイク持ったかな」「今日、スパイク壊れていないかな」など余計なことを考えず、用意されているものがすべて完璧な状態であるようにしています。

公式戦の用具をトラックに積み込む髙橋さん。「忘れ物がないかが心配で、無事に試合開始のホイッスルが鳴ったときに少しだけほっとします」

■今後やってみたいこと
用具係・ホペイロの仕事を12年やっています。まだまだメジャーではない裏方の仕事というものをたくさんの人達に知ってもらい、この仕事を目指す人が増えていくような活動をしたいですね。

またユースやレディース、スクールといったようなアカデミー組織や地域の学生スポーツ団体などに向けた、プロのマネージャーによるシューズの講座として、選び方だったり手入れの方法、物を大切にするのことの大切さを伝えたりするような活動などもやってみたいです。

■ファン・サポーターへのメッセージ
試合中はロッカールーム内で作業をしている時間が長いので、ほとんど試合を見ることはできません。ですが、ゴール裏から聞こえてくる群馬サポーターのチャントの大きさで「チャンスだな」とか「ピンチだな」とか「ゴール入った!」など、試合の状況がロッカールームにいてもわかります(笑)。サポーターの応援が選手達のチカラになっていることは言うまでもありませんが、そういう意味では実は応援が試合中の僕にとっても大切なモノになっています。

ホームスタジアムである正田醤油スタジアム群馬でもアウェイでも、いつもたくさんの応援を本当にありがとうございます。選手やチームを応援して支えて下さる皆様同様、我々裏方陣もチーム・選手を精一杯支えていきます。これからも共にザスパクサツ群馬のために頑張っていきましょう!

練習の用具を準備・管理する大澤遼太さん

高校時代のサッカー部でケガをしたときに、マネージャーとしてサポートする経験をして興味をもったという大澤さん。「学生時代にFC町田ゼルビアでインターンをしていたときに、ザスパとの縁ができて応募しました」

■業務内容(練習の用具担当)
練習で使う用具は種類と数がたくさんあります。ボール40個、マーカー5色×20枚、コーン45個、ビブス6色×20枚、ドリンク40本程度など。その他、クラブハウスの浴室やシャワーで使うタオル、選手の靴下などの管理と準備・片付けがあります。

主に使用しているコーエィ前橋フットボールセンターとは別の場所に倉庫を借りていて、倉庫で洗濯をしたり用具を管理したりしています。夏場はドリンク準備が重要で、クラブハウスと倉庫にある製氷機で大量の氷を用意します。倉庫と練習場の往復が多いですね。

■楽しいと感じることは何ですか?
試合前のウォーミングアップのときに「がんばって」と声をかけたり、緊張していそうな選手に「いつも通りやれば大丈夫だよ」など声をかけたりしています。試合に出る選手にはほとんど声をかけていて、点をいれた選手には「ナイスゴール」と声をかけたり、選手とその試合のプレーについて話したりするのが楽しいと感じます。

■工夫していることは?
練習中はとにかく監督やコーチ、選手などの動きを見ています。ボールなどの用具の位置やドリンクの補充、次の練習メニューのための準備や片付けのタイミングがずれないよう行動しています。ミーティング中にボトルに氷を入れてぬるくならないようにしたり、水がなくならないよう補充したりしています。

マネージャーになって選手から「ありがとう」と言われることが増えて、とてもうれしいなと思いました。それで感謝は大事だと思うようになりました。自分からも「ありがとう」と言うようにしています。

■難しいと感じることは?
普段使用しているコーエィ前橋フットボールセンターが、夏場は大会での使用や芝生の養生期間と重なるため使用できず、そのため近隣の複数のグラウンドをお借りしてトレーニングをします。グラウンドによって準備の仕方が変わってくるので、難しいなと感じます。でも、グラウンドが違っても選手達がいつもと同じトレーニングができるような準備が必要です。全く同じとはいきませんが、限りなく近付けられるように心掛けています。

普段の練習でいくつかのグラウンドを使用しているザスパ。「人工芝や天然芝、雨によるぬかるみなどによって練習着や用具の汚れ方が変わってくるため、汚れ具合に合わせた手入れや管理をしています」

■選手や監督・コーチたちとの関わりは?
選手は人生を賭けて戦っていて、全体練習が終わったあとに筋トレしたり、試合に出ないときでも走ったりしている姿を見るとすごいなと思います。そんな姿を見て自分たちも頑張らなければと思います。なので年齢関係なく尊敬しています。そして、監督・コーチや選手たちが練習用具やドリンクの片付けもやってくれるので感謝してます。監督やコーチ陣とは練習メニューのことを話すことが多いですね。

いわき戦(同9月17日)で勝ち点50以上のクラブの目標を達成できたとき、コーチから「達成できたな」「ありがとう」などと声をかけていただき、チームの一員として見てもらっているといううれしさがありました。

■ファン・サポーターへのメッセージ
いつも応援していただきありがとうございます。チームとして活力になるのでとてもうれしいです。ありがたいです。僕らマネージャーは裏方ですが、チームの勝利のために残り試合も変わらずサポートしていきたいと思います。

ゴール裏での応援や草津節はいいですね。ザスパには5年いますが、やっぱり草津節がいいなと思います。片付けをしながら聞いているのですが、勝った実感があっていいなと思います。

インタビューを終えて

「おせっカインズ」の執筆のために、練習や試合前ウォーミングアップを何度か見学していました。緑のグラウンドには監督やコーチたちの声が響き、数多くの練習メニューが流れるように進みます。美しく弧を描きながら、次々とサッカーボールが遠くへ飛んでいく景色を見て、「ボールを蹴るのが楽しい」とインタビューで話した選手がいたのを思い出しました。数々のメニューを真剣に、そしてはつらつと取り組む選手たちの姿を見ているのが楽しくなり、取材をしていることを忘れてしまいそうでした。

スムーズにそして充実した練習を行うために、マネージャーさんたちがメニューに合わせた用具を事前準備したり、次のメニューへ変わるときのタイミングを計ったりしていることを今回の取材で知り、私が感じた「楽しさ」はしっかりと準備され計算されたものなのだとわかりました。

ザスパクサツ群馬のマネージャーさんたちは、担当業務が異なれば人柄も異なります。でも、3人が大事にしているチームへの想いや選手・スタッフへの想いは同じだと感じました。(T1)

プロフィール

原 巧佑(写真中央)
出身:群馬県藤岡市 
マネージャー歴:3年
ザスパクサツ群馬歴:2年 
趣味:読書 
今年の目標:チームの目標を達成すること
https://twitter.com/kousuke1323

髙橋 陸(写真左)
出身:東京都 
マネージャー歴:12年 
ザスパクサツ群馬歴:4年
趣味:育児、ショッピング
今年の目標:無事にシーズンを終える
https://www.instagram.com/riku_migakimasu/

大澤遼太(写真右)
出身:神奈川県 
マネージャー歴:6年半 
ザスパクサツ群馬歴:5年
好きな言葉:感謝 
趣味:ドライブ 
今年の目標:毎日いつも通りに
https://www.instagram.com/ryosawa_162244/

おせっカインズとは

「くらしDIY」を新たなブランドコンセプトに掲げるカインズが、ザスパクサツ群馬の選手・スタッフのDIYなくらしをおせっかいに深堀りします。試合とは違った選手の魅力をぜひご覧ください。

カインズは2006年からオフィシャルユニフォームパートナーとして、ザスパクサツ群馬を支援しています。カインズ創業の地であり、数多くの店舗を有するホームタウン「群馬」において、地域の課題を解決すると共に活性化を図り、群馬の誇りを創る「共創」のパートナーとして活動を行っています。

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