能登半島地震の支援へ 「店舗がない被災地に支援物資を届ける」その想いとは
- 2024.07.03
- くみまち・サステナビリティ

2024年1月1日16時10分。能登半島で発生したM7.6の地震は、石川県を中心とする北陸地方に甚大な被害をもたらした。カインズではベイシアグループの一員として店舗での募金活動を行ったのに加えて、災害関連の協定を締結している自治体やNPOを通じて有償の物資提供を行うなど、様々な支援に取り組んでいる。
さらに被災者支援活動の専門NPOなどとして国が認定している一般社団法人Open Japanと連携し、1月15日から6月7日まで計8回にわたり、有志のメンバー(従業員)が、5つの自治体の役所や避難所、小中学校など約60カ所を回り、支援物資を直接避難者へ届けたり被災者と寄せ植えを行ったりした。
被災地に入ったメンバーは何を見て、何を感じ、どのように想い、行動したのか。日頃、カインズメンバーの安全・災害対策に携わっており、今回の支援活動では現地入りに必要な備品やメンバーの生活用品などを準備するとともに被災地へも赴いた坂田昌之(コーポレートサポート本部 総務部 安全・災害対策室)に聞いた。
能登半島地震の被災地へ支援物資を届けた背景
――包括連携協定を締結している朝霞市から、今回の災害で支援を検討しているとの相談がカインズにあり、七尾市に支援物資を運ぶことになりました。そのタイミングにあわせて、カインズとしてできる支援として、防寒着になる「羽織れるあったかロールクッション」を現地に持っていき、配布方法や保管場所などで迷惑をかけないよう、自分たちで配ることにしました。

カインズの安全・災害対策のメンバーとして
坂田:1月下旬に第1回目の支援を行いました。「羽織れるあったかロールクッション」2,000個を能登町に届けるため、メンバー有志で現地へ向かいました。2回目は、私は業務の都合上、どうしても参加できなかったのですが、2月下旬の3回目と3月上旬の4回目は参加しました。



災害支援の経験は、これまで全くありませんでした。東日本大震災(2011年)のとき、私は静岡の吉田店の店長でした。社内会議の後、店長は全員店舗にすぐ戻りなさいという指示だったので、静岡に戻りました。そのため、現地への応援などは全然関われませんでした。
その後本部に異動し、店舗の安全対策に関わる部署に着任して、台風や豪雨の水害などの自然災害で店舗に応援を派遣することが何度かありましたが、私は大規模災害が発生すると設置される対策本部の一員として本庄早稲田本部にいながら情報収集したり対応を考えたりする役割なので、現地に自分が足を向けることはできませんでした。
店舗がない地域へ出向くことへの戸惑い
坂田:一番初めに現地に支援に行くと聞いたときは、正直なところ店舗もない場所になぜ直接行くのかなと思いました。そこに店舗があってすごく苦労しているというメンバーがたくさんいるのであれば、その方のためにもできる限りこちらも動きたいという思いは真っ先に出てくるんですけど……。だから初めは、あまり乗り気ではない自分がいました。
それでも、私が被災地支援に行くのならば、安全・災害対策室の責任者として、現地へ支援活動に行くカインズメンバーの皆さんが安心して現地で活動ができるように、道具や備品などを用意することが自分の役割だろうと考えました。この活動の窓口となっているメンバーに現地で活動する支援団体を通じて現地の様子を聞いてもらい、その情報を元にどういう備品を用意したらいいか、支援活動に参加するメンバーが不安にならないようにするにはどうしたらいいかなどを考え、準備をしました。

私だけでなく、きっと参加するメンバーみんなが同じような不安を抱いているだろうと思い、安心して活動に行けるように支援したいと思ったんですよね。ですので、メンバーが夜寒くて眠れないのではないか、体調を崩してしまうのではないかなど、体調面も考えました。それが私の安全・災害対策室の役割の1つでもあるのかなと思いました。
心も、現地へ
坂田:私が実際に現地に行ったのは1月下旬。町の風景と被災地に行くまでの道のりを見て、愕然としたんですね。1カ月経つのにこんなにも復旧していないものなのかと。ライフラインも全然まだまだ復旧していないし、道路の復旧もまだ……、もう本当にボコボコなんです。慎重に運転しないと車が壊れるんじゃないかっていうような衝撃があったり、町中を走って奥に進めば進むほど、完全に倒壊して、押しつぶされている家がどんどん増えてきたり。そういう様子を見たときに、テレビで見た情報だけではない……、現地の大変さというのを感じました。

3回目の応援に行ったときに、現地の支援団体のベースキャンプを借りてシュラフで寝泊まりして活動したあたりから、自分の中の価値観というか、考え方がちょっと変わってきたのは自分自身でも感じました。



避難所で一部の方なんですけど、カインズの制服のブルゾンを見ただけでカインズっていうことをすぐ理解してくださる方もいらっしゃるんですね。「カインズさんだ」って。お店は当然こちらにないけど、「いつもオンラインショップを利用してます」という方もいてくれたりとか、「カインズさんがわざわざ埼玉からこっちまで来て活動してくれている」と、すごい喜んでくれる方もいたり。
そうした経験を通じて、支援というものは、お店があるところだけを意識……目を向けるということではないんだと、「まちのライフライン」を目指すカインズとしてやはり大きな価値があるんじゃないのかなって思い始めました。
――1月15日から6月7日まで計8回にわたり、延べ49人のカインズメンバーが現地入りし、訪問した避難所や小中学校などの施設は約60カ所にのぼった。
「羽織れるあったかロールクッション」の物資支援やカフェブリッコによるコーヒーとマフィンの提供などを通じて、現地の方々からSNSで様々なコメントをいただいた。
一般社団法人Open Japan 様からいただいたお礼の言葉コメント
https://www.facebook.com/profile.php?id=100083288771554
池崎万優 | Designerまゆんぐ👩🏻🦱| 石川県能登町宇出津 様からいただいたお礼の言葉
https://twitter.com/Mayung0/status/1753215461888860622
https://twitter.com/Mayung0/status/1765526514899226960
これからのカインズの支援活動
坂田:台風や豪雨災害、大雪など、事前に多少予測ができる災害もありますが、地震や津波は突然に起こります。店舗がある地域の支援としては、店舗メンバーの安全を確保した上で、「まちのライフライン」としてお店を営業させるための準備をしておくことがまず重要なのだと、改めて感じました。
日本は自然災害に一年中見舞われる可能性がある“災害大国”です。今回の経験を通して、お店がある地域はもちろんですが、たとえその地域に店舗がなかったとしても、カインズとして支援できることは色々あるんだということをすごく感じました。カインズ流の災害支援モデルをつくることができれば、今回の経験をさらに役立てることができると思います。
話した人 坂田昌之(コーポレートサポート本部 総務部 安全・災害対策室)

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